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治療の質は“学び続ける“ことで決まる
ー吉岡先生歯内療法症例検討会ー

皆さま、こんにちは。
ひな祭りを迎え、華やかな雛飾りが春の訪れを告げています。
朝夕はなお冷え込む日もあり、季節の変わり目でございますので、どうぞご自愛ください。

先日、日頃より大変お世話になっております歯内療法専門医の吉岡隆知先生主催の勉強会に参加してまいりました。
吉岡先生は、東京医科歯科大学歯学部(現:東京科学大学歯学部)をご卒業後、同大学院へ進学、医局員として研鑽を積まれ、現在は同大学の臨床教授を務められており、また、御茶ノ水にて根管治療専門の歯科医院をご開業されております。
先生の卓越した技術と豊富なご経験を求め全国から多くの患者さんが来院され、さらに国内外から多くの歯科医師が先生の技術を学びに訪れております。
今回は少し専門的ではありますが、この勉強会での学びについてご報告させていただきます。

勉強会は一日を通して開催されました。
午前の部では、上顎前歯部の根管治療に必要な知識や治療のTipsについて、大学病院で日々多くの症例を担当されている先生方よりご講義いただきました。
一般的に上顎前歯は単根であり、複数根を有する臼歯と比較すると治療が容易であると、特に若手歯科医師は想像しがちです。
しかし、「その先入観こそが難しさを生む」とのご指摘がありました。

確かに前歯は単根で直線的な形態を示すことが多い一方で、複数根管の存在や著しい根尖の湾曲、さらにはセラミック矯正などにより歯冠形態と歯根形態が一致しない症例も存在します。
そのような症例において、いわゆる“典型的な前歯像”を前提に治療を進めることは、不必要な切削やトラブルの原因となり得ます。
そのため、エックス線写真やCT画像から解剖学的形態を的確に把握する視点、そして低侵襲かつ確実にアプローチする方法について、実際の症例を通して学ばせていただきました。

さらに、治療精度を高める新たな手法として、インプラント治療に用いられるサージカルガイド(埋入方向をガイドしてくれるマウスピース)を根管治療に応用する方法も紹介されました。
これにより術者の技術・経験で左右されてきた切削量を一定かつ最小限にコントロールでき、歯質の可及的な保存や審美性の向上が可能となります。
この他にも様々な技術の紹介があり、デジタル技術の進歩が臨床精度の向上に大きく寄与していることを、改めて実感いたしました。

午後の部では、東京科学大学大学院医歯学総合研究科歯髄生物学分野教授の八幡祥生先生による「治らない」を科学する―治療技術の最適化と新規開発への挑戦―と題した特別講演が行われました。
教授は、技術が進歩しているにもかかわらず根管治療が完治に至らない症例が存在する要因として根管内バイオフィルムの除去不良に着目され、医工連携による新規レーザーの開発に取り組まれております。
メカニズムとしましては、レーザーを用いて根管内にキャビテーション現象と呼ばれる微細な気泡の発生・破壊による衝撃波を引き起こすことでバイオフィルム除去を行います。
この治療法は既存治療より歯質を切削せずとも根管治療が可能となるとのことで、難症例への新たな可能性を示すもので非常に印象的でした。

また、講演中に引用された 「ハンマーしか持っていなければ、すべてが釘に見える」 という言葉が強く心に残りました。
長い歴史の中で確立された歯科治療は確固たるエビデンスに支えられている一方で、それが新たな発想の妨げや新規治療法への過度な懐疑的姿勢といった側面となることも多くあります。
この講義を通じて、固定観念にとらわれることなく、常に柔軟な思考を持ち新しい技術や概念に真摯に向き合う姿勢の大切さを学ばせていただきました。

今回の勉強会で得た学びを今後の研鑽および日々の臨床に生かし、患者さんにより質の高い医療を提供できるよう努めてまいります。
本セミナーでは、歯内療法の難症例に対する診断や治療方針について、専門の先生方による症例検討と活発なディスカッションを通して多くの学びを得ることができました。
各症例に対して根拠に基づいた意見交換が行われている様子が印象的で、将来は自分も専門性を深め、科学的根拠を踏まえた治療を行いながら臨床家同士で意見交換ができるようになりたいと感じました。
また、特別講演で示された「将来の臨床応用を見据えた研究の重要性」という視点も強く心に残りました。

私は補綴分野を志向していますが、超高齢化社会の進行や歯科技工士不足といった課題に対して、臨床に還元できる研究の必要性を改めて考える機会となりました。
今回のセミナーで得た気づきを今後の学びや臨床に少しずつ生かしていきたいと思います。

歯科医師 冨秋智博

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